石原 武美 さん (JICA海外シニアボランティア フィジー共和国行刑局にて農場運営指導)
■現在の仕事の内容は?
フィジー共和国の行刑局所属の刑務所農場にて農場運営の指導・アドバイスをした。
■退職(または転職)されたのはいつですか?
寝たきりの母親の介護とJICAのシニア海外ボランティアに参加したくて体力のあるうちに早期退職制度を利用して定年1年半前に会社を辞めた。
■退職後に就く仕事のことを考え始めたのはいつ頃でしたか?助走期間は充分でしたか?
JICAのシニア海外ボランティアはこの制度ができた時に、いつか挑戦したいと漠然と思っていたが、本格的に意識したのは会社を辞める1年前。そして準備としてその時から情報収集を始めた。ただ英会話は退職後に英会話学校に入学して、週4〜5回45分/回を半年続けた。併せてTOEICの対策を週1回行ったが、その後のことを考えるともう少し早くから始めるべきだった。正直なところ最初の応募でパスするとは思っていなかった。
■はじめから今の仕事をしようと考えていましたか?きっかけも教えてください。
大学卒業後JICAの青年海外協力隊に参加して海外生活をしてみたいと思っていたことがあったが、就職して仕事の楽しさにのめりこんでしまった。その後、大学OB山岳会でネパールへ踏査隊長として1ヶ月半遠征した時に、この国は何と貧困かと、そして日本に生まれたお陰で何と恵まれているかとつくづく感じた。この時の強烈な印象が、発展途上国へ何か役に立つ事がしたいと思い始めたきっかけだと思っている。
■今の仕事は「生きがい重視」ですか、「生活重視(収入)」ですか?
もちろん生きがい重視である。収入については結果であってあるに越したことない。
■仕事は予想通りですか?
農場運営にあたり、熱帯農業の問題点と改善策や新技術導入は当初から頭に描いて予想していたこととほぼ一致したので、その線で進めることができた。
初めて職場に赴任して1ヶ月ほどで実態調査をして問題点を洗い出し、10ヶ月の短期計画をたてて実効に移したが、文化の壁・言葉の壁に突き当たり、4ヵ月後にこの短期計画を2ヵ年計画で実施するという軌道修正を余儀なくされた。
■準備段階で、有効だった情報源は?
退職直前にインドネシアへ業務出張して熱帯農業の実情が大まかに把握できた。
以前JICAの関係で兄がフィリピンへ行っていた事があって、ボランティアについていろいろ情報をもらっていた。また前の職場の関係で関わった(社)日本施設園芸協会の会長や専務理事(農林省OB)から紹介をしてもらった(社)国際農林業協力協会からも現地情報が入手できた。更にタキイ種苗に勤務していた友人から、熱帯地域の栽培や熱帯地域に適した種等について多くの情報をもらった。
■準備段階で、有効だった行動は?
現場を隈なく回って実際に確認し、更に現場の階級の違う多くの職員と話し合ったこと
が計画作りに大いに役立った。
■それまで気づかなかった自分の才能はありますか?
誰とも挨拶と笑顔で近づいていき親しくなることと、信頼関係を築くこと等、他人から言われて気づいた。
■現在足りていないと感じる情報、ノウハウ等はありますか?
インターネットをフルに使い情報を得ることや、専門外の知識やそれを入手する人脈に欠ける。
■新たなことを始める際に、家族にどんな相談をしましたか?
退職する前から、いつか急に会社を辞めて違うことに挑戦するからと家族には話をしていたが、時期は明確にしていなかった。ただ妻が卵巣のう腫の手術予定・入院中のときだったので、予想に反して早く実現することになったことが、身内にいろいろと心配と迷惑をかけた。
■家族との関係は変わりましたか?
会社勤めの時は転勤のある毎に家族との絆はより深くなったが、今回は特に妻と初めての海外生活を始めたため大変苦労し、協力しあわなければ乗り越えることができないと思われ、絆は今まで以上になった。その結果、全てが新鮮で刺激的な環境は、二人にとって貴重な経験であってかけがえのない財産になった。
■これから定年を迎える人たちへの助言は?まず心構えについて
これだけは誰にも負けない・譲れないと言うこだわりを持つことと夢を持ち続けること。
■必要なスキルは?
体力(健康と順応性・ポジティブな考え)とコミュニケーション能力および応用力(雑学や工夫する力)があると挫折やストレスから早く立ち直ることができる。
■有益な情報源は?
多方面・異業種の人脈と友人をできるだけ多く持つこと。
■これからのシニアに求められる役割な何だと思いますか?
地域社会や世界とのかかわりの中で、小さなことでも何か世の中に役立つことがあるはずと模索し、実行に移すこと。
■その他のアドバイスは?
競争社会下でお金を稼ぐことから離れて、第2の人生としてこれからは人に尽くして達成感・満足感を味わう生き方も良いものと思う。そのためには己の経済基盤と健康基盤だけはある程度固めておく必要がある。
■今後の目標や新たにやろうと考えていることは?
農山村に移り住んで農作業をしながら地域に役立つことを模索しながら取り組んでいきたい。 現在、山村の空き家と畑を借りることができたので、近々移り住み次のステップに取り組む予定。
■その他何でもどうぞ
団塊の世代のほんの少し先を生きてきた者として、恵まれた環境や大変多く人々との出会いが今の自分を形成していると思っている。
これからもさらなる出会いと可能性を求めてあせらず、おごらず、謙虚に残りの人生を好きな登山やゴルフそして海外の人々との接点をも持ちながら送りたいと考えている。
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